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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

松山から今治へ(連載中)

「鎌大師堂」
伝説によれば、弘法大師が巡錫の折、
鎌で仏像を刻んだというのですが・・・

以前紹介したSさんによると、鎌で仏像など
彫れるはずがない!(笑)
少し前まで手束妙絹という有名な庵主さんがいらしゃいました。
15度の遍路をされ、縁あってここに落ち着かれ、
いくつかの著書を残されました。

ここには苦い思い出があります。
かつて当てもなく四国を彷徨っていたとき、
徳島の鯖大師で名古屋の祈祷師のAさんとお会いしました。
Aさんの信者さんが、
「何か相談したい人があったら、相談にのってくれますよ」
というので
「では私が相談にのってもらいたいのですが・・・」
というと驚かれました(笑)

そのAさんが
「鎌大師堂の手束妙絹さんを尋ねなさい。相談にのってくれます」
といわれるので尋ねて行きましたが、相談にはのってくれません?
Aさんの名前を出しましたが、そんな人知らないということです(笑)
とぼとぼと、その場所を後にしました。

ちなみにAさんは怪しい祈祷師ではなく、
後日私はお世話になり、面倒を見てもらっています。

しかし、その後、鎌大師堂ではお伺いするたびに
お茶をお接待していただきました。
ここで面白いのは、弘法大師の真言があったことです。
(ちなみにこの真言は鎌大師で作られたものではありません
高野山の高僧が作ったともいわれており、
「弘法大師法」という次第にもでてくるそうです)

真言があるのはインド生まれの仏様、
つまりサンスクリットで書かれた物だけではないか?
在りし日の妙絹先生にその謎を尋ねたところ
「当然でしょう。四国をお参りしながらそんなことも知らないんですか」
と言われてしまいました(苦笑)

ちなみに弘法大師の真言について後にある学僧に
尋ねたところ、サンスクリットの「空」「海」を
つないだということでした。

ちなみに私個人はこの真言は否定しています。

鎌大師堂から山を超えると海沿いの道に出ます。
しばらく進むと瓦の町、菊間に入ります。
ここに番外霊場の遍照院というお寺があります。

ところで、お寺の名前から判るかも知れませんが
ここの本尊はお大師さんです。
本尊「弘法大師」というのは真言宗の方からすると、
それほど違和感がないかもしれませんが、
他宗からするとびっくり仰天です。

本尊というのはそのお寺の中心となるものです。
したがって、普通は仏教の開祖である釈迦如来、
あるいは経典に基づき功徳のある仏(薬師、阿弥陀、観音、地蔵)
を置きます。

したがって、本尊に宗祖などおきませんが、
真言宗は弘法大師を持ってきます。
ですから、真言宗は空海宗(あるいは空海教)
と呼ぶべきかも知れません。

ちなみに「病弘法、欲稲荷」
(病気は弘法大師に、金儲けはお稲荷さんに
お願いすると効験がある)といわれています。

ところで、一般の方がお大師さんを信仰して、
功徳をいただこうとすることは否定いたしませんが、
お大師さんは、真言密教の教えを広めようとされたのであって、
自分を崇拝させようとしていたわけではありません。
僧侶に中にも、その辺りを誤解している方がいるのは残念です。

少し本題から外れましたが、瓦の街らしく、山門の両脇、
仁王さんが立っているところに、鬼瓦が置かれていました。

ちょうど一休みするのにいい場所です。
キチンとお参りしてから、休ませていただきましょう。


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